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高知落石事件をわかりやすく解説!!標識だけでは足りない・・・【通常有すべき安全性】 | 判例マスターへの道

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高知落石事件をわかりやすく言うと、道路管理の瑕疵による国家賠償責任が問われた判例です。
この判例は、公共物の管理者が負うべき安全配慮義務と、その義務違反による損害賠償責任について、重要な判断を示しています。
予算的な兼ね合いで管理が行き届いていないことを推察できても、営造物が通常有すべき安全性を欠いている状況においては、過失を必要としないとした点は特に重要です。

成り上がリーガルポイント
  • 公共物の設置または管理に瑕疵がある場合、国または公共団体は、過失の有無にかかわらず損害賠償責任を負う。(国家賠償法2条1項、3条)
  • 道路管理者に求められるのは、道路の具体的状況に応じて、落石や崩壊の危険を防止するために必要な措置を講じることである。
  • 道路管理瑕疵の有無は、事故発生地点だけでなく、道路全般の危険状況および管理状況等を考慮して判断する。

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事件の概要:落石事故と道路管理の責任

昭和38年、高知県のある国道を走行中のトラックが、突然の落石に見舞われました。
落下した巨大な岩石は、助手席を直撃し、乗っていた方が亡くなってしまったのです。

この事故現場は、200メートルもの高さの断崖絶壁が海に落ち込む場所でした。
過去にも落石や崩土が頻発しており、危険な場所として知られていました。

しかし、道路管理者である国や県は、「落石注意」の標識を設置しただけで、具体的な安全対策は講じていませんでした。

遺族は、国と県に対し、道路管理に瑕疵があったとして、国家賠償法に基づく損害賠償を求めて提訴しました。

争点:道路管理に瑕疵はあったのか?

この事件の争点は、「道路の管理に瑕疵があったとして、国及び県に国家賠償法上の責任があるか」という点です。

国や地方公共団体は、道路、河川、橋などの公共物を管理する義務を負っています。
これらの公共物は、国民が安全に利用できるよう、適切に管理されなければなりません。

もし、公共物の管理に不備があり、そのために事故が発生し、誰かがケガをしたり亡くなったりした場合、国や地方公共団体は、国家賠償法に基づいて損害賠償責任を負うことがあります。

では、今回のケースでは、国や県は、道路管理の義務をきちんと果たしていたのでしょうか?
それとも、安全対策を怠っていたため、事故を防ぐことができなかったのでしょうか?

判決:道路管理に瑕疵あり!国と県は賠償責任を負う

最高裁判所は、国と県は、道路管理に瑕疵があったとして、損害賠償責任を負うと判断しました。

営造物の設置または管理の瑕疵とは?

国家賠償法2条1項は、「国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。」と規定しています。

また、同法3条は、「国又は公共団体の営造物の設置又は管理に瑕疵があつたために他人に損害を生じたときは、国又は公共団体は、これを賠償する責に任ずる。ただし、損害の発生について、被害者の責に帰すべき事由があつたときは、賠償の責を免れる。」と規定しています。

ここでいう「営造物の設置又は管理の瑕疵」とは、営造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいいます。

例えば、道路であれば、通行者が安全に通行できる状態を保つ必要があります。
橋であれば、崩落しないようにしっかりと補強しておく必要があります。

道路管理瑕疵の有無の判断:具体的な状況を総合的に考慮

では、具体的にどのような場合に、道路管理に瑕疵があったと判断されるのでしょうか?

最高裁は、この点について、事故発生地点だけでなく、道路全般の危険状況および管理状況などを考慮して判断する必要があるとしました。

今回のケースでは、事故現場はもともと落石や崩土の危険性が高い場所であり、過去にも同様の事故が発生していました。
にもかかわらず、国や県は、「落石注意」の標識を設置しただけで、具体的な安全対策を講じていませんでした。

裁判所は、これらの事情を総合的に考慮し、国や県は、道路の通行の安全性を確保する義務を怠っており、その管理に瑕疵があったと判断したのです。

無過失責任:故意や過失は問われない

国家賠償法に基づく国や公共団体の賠償責任は、無過失責任です。
つまり、故意や過失の有無は問われません。

たとえ、国や県が落石を予測できなかったとしても、結果として事故が発生し、被害者が亡くなった以上、賠償責任を負うことになるのです。

まとめ

高知落石事件は、道路管理の瑕疵による国家賠償責任が問われた判例です。
この判例は、公共物の管理者が負うべき安全配慮義務の重要性を改めて示しています。

公共物の管理者は、その物の性質に応じ、通常備え付けておくべき安全性を欠くことがないように適切な措置を講じる義務があります。
この義務を怠り、その結果として損害が発生した場合、たとえ故意または過失がなくとも、国家賠償法上の責任を負うことになるのです。

行政書士試験の学習においても、この判例は国家賠償法の理解を深める上で重要な教材となります。
特に、公共物の管理における行政の責任や、国家賠償の要件などについては、しっかりと確認しておきましょう。

この判例をきっかけに、公共物の安全管理の重要性や、行政の責任について、さらに深く考えてみるのも良いかもしれませんね。

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