平成30年

行政書士試験の過去問:平成30年/問2 解説

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問題:「法」に関する用語を説明する次のア〜オの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。

ア 自然法に対して、国家機関による制定行為や、慣習などの経験的事実といった人為に基づいて成立した法を「実定法」という。

イ 手続法に対して、権利の発生、変更および消滅の要件など法律関係について規律する法を「実質法」という。

ウ ある特別法との関係において、当該特別法よりも適用領域がより広い法を「基本法」という。

エ 社会の法的確信を伴うに至った慣習であって、法的効力が認められているものを「社会法」という。

オ 渉外的な法律関係に適用される法として、国際私法上のルールによって指定される法を「準拠法」という。

  1.ア・イ
  2.ア・オ
  3.イ・ウ
  4.ウ・エ
  5.エ・オ





答え

2

ポイント

この問題は、法律用語に関する基本的な知識を問う問題です。
法律用語は、それぞれの言葉の意味だけでなく、他の用語との関係性も理解しておく必要があります。特に、対になる用語(自然法と実定法、手続法と実質法など)は、セットで覚えておくと良いでしょう。

法律用語は、身近な例えを用いることで、その概念を理解しやすくなります。

例えば、実定法は、信号機の色で車の動きを指示したり、選挙権年齢を決める法律のように、国や地域が私たちの生活をスムーズにするために作ったルールブックのようなものです。

一方、自然法は、「人を傷つけてはいけない」という気持ちのように、法律で決められていなくても、誰もが持つべき普遍的な道徳観のようなものです。

法律用語のポイントまとめ

成り上がリーガルポイント
  • 実定法:国や地域が定めたルール(例:道路交通法、憲法)
  • 自然法:普遍的な道徳や正義に基づくルール(例:人を傷つけてはいけない)
  • 手続法:権利や義務を実現するための手続きを定めた法律(例:民事訴訟法)
  • 実質法:権利や義務そのものを定めた法律(例:民法、刑法)
  • 特別法:特定の分野に適用される詳細なルール(例:建築基準法)
  • 一般法:広い範囲に適用される一般的なルール(例:民法)
  • 社会法:社会生活を支えるための法律の総称(例:労働基準法、社会保障法)
  • 準拠法:国際的な取引や紛争で、どの国の法律を適用するかを決める基準

解説

ア:自然法と実定法 – 正義の羅針盤 vs. 社会のルールブック

「自然法」と「実定法」は、法の根源を問う概念です。
自然法は、人間の理性や道徳観、宗教など、普遍的な価値観に基づいて存在するとされる法です。
「人を殺してはいけない」「嘘をついてはいけない」といった道徳律は、時代や文化を超えて多くの人々が共有する価値観であり、自然法の考え方に通じるものと言えるでしょう。
自然法は、いわば「人類共通の道徳的羅針盤」のようなものです。

一方、実定法は、特定の国家や社会において、人為的に制定された法のことです。
日本の憲法や民法、刑法などが実定法にあたります。
実定法は、社会の秩序を維持し、人々の権利や義務を明確にするための「ルールブック」のような役割を果たします。

イ:手続法と実質法 – ルールブックの目次と本文

法律の世界には、「手続法」と「実質法」という二つの種類があります。

手続法は、権利や義務を実現するための手続きを定めた法です
。例えば、裁判を起こすときの手続きを定めた民事訴訟法や、行政機関に不服を申し立てる際の手続きを定めた行政不服審査法などがこれに該当します。
手続法は、いわば「ルールブックの目次」のようなもので、私たちが権利を行使したり、義務を果たしたりするための道筋を示してくれます。

一方、実質法は、私たちの権利や義務の内容そのものを定めた法です。
例えば、契約に関するルールを定めた民法や、犯罪と刑罰を定めた刑法などがこれに該当します。
実質法は、「ルールブックの本文」のようなもので、私たちが社会生活を送る上で守らなければならないルールを教えてくれます。

ウ:特別法と一般法 – ルールの例外と原則

法律には、「特別法」と「一般法」という区別もあります。

特別法は、特定の分野や特定の事項についてのみ適用される法律です。
例えば、建築基準法(建築物に関する法律)や道路交通法(道路交通に関する法律)などがあります。
特別法は、いわば「例外的なルール」であり、特定の状況において、一般法よりも優先的に適用されます。

一方、一般法は、広く一般的な事項について適用される法律です。
例えば、民法(私人間の権利義務に関する一般的な法律)や刑法(犯罪と刑罰に関する一般的な法律)などがあります。
一般法は、「原則的なルール」であり、特別な事情がない限り、すべての状況に適用されます。

エ:社会法 – 社会の安全網

社会法は、労働法や社会保障法など、社会政策に関する法律の総称です。
労働者の権利を守るための労働基準法や、社会保障制度の根幹をなす社会保障法などが社会法に含まれます。

社会法は、いわば「社会の安全網」のような役割を果たします。労働条件の改善や社会保障制度の充実を通じて、すべての人々が安心して暮らせる社会の実現を目指しています。

オ:準拠法 – 国際社会の共通言語

準拠法とは、国際的な取引や紛争において、どの国の法律を適用するかを決定する際に基準となる法律のことです。
例えば、日本企業と海外企業が契約を結んだ場合、日本の法律を適用するのか、海外の法律を適用するのかを判断する必要があります。

準拠法は、国際私法という法律分野で扱われる概念であり、国際的な取引や紛争を円滑に解決するために重要な役割を果たします。
例えるなら、異なる言語を話す人同士がコミュニケーションをとるために、共通の言語(準拠法)を使うようなものです。

まとめ

今回は、平成30年度行政書士試験の問2で出題された法律用語について解説しました。

法律用語は、法律学習の基礎となるものです。特に、対になる用語はセットで覚えておくと理解が深まります。

  • 自然法(普遍的な価値に基づく法)と実定法(国などが制定した法)
  • 手続法(手続きを定めた法)と実質法(権利や義務の内容を定めた法)
  • 特別法(特定の事項に適用される法)と一般法(広く一般的な事項に適用される法)
  • 行政書士試験の準備にお悩みの方へ。

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