民法の「代理の要件」「代理」について、わかりやすく解説していきます。
「代理」って聞くと、ちょっと難しそうなイメージがあるかもしれません。
日常生活でも実は使われている身近な制度です。
親が子供のために契約を結んだり、弁護士が依頼人の代わりに裁判手続きを行ったり…。
これらはすべて「代理」の制度を利用している例です。
- 代理とは、代理人が本人の代わりに法律行為を行うこと。
- 代理が成立するには、代理権の存在、本人のためにすること、代理人が意思表示をすることの3つの要件が必要。
- 代理には、法定代理と任意代理の2種類がある。
- 代理権は、本人の死亡や代理人の死亡など、様々な原因で消滅する。
- 代理行為に瑕疵がある場合、その瑕疵は原則として代理人に帰属する。
この記事では、「代理」の基本的な知識から、少し複雑な代理の種類まで、丁寧に解説していきます。
例えばの例も入れておりますので、あなたなりの解釈をするにあたっての参考になれば幸いです。
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代理とは何か。
代理ってどんな制度?
では、まず「代理」とはどんな制度なのか、簡単に説明しましょう。
代理とは、ある人(代理人)が、別の人(本人)の代わりに法律行為を行うことを言います。
例えば、AさんがBさんに土地を売却したいと考えているとします。
Aさんは、仕事で忙しいので、Cさんに代理人になってもらい、Bさんと売買契約を結んでもらうことにしました。
この場合、CさんはAさんの代理人として、Bさんと売買契約を締結することになります。
このように、代理人は本人の代わりに法律行為を行うことができるので、本人にとっては非常に便利な制度と言えるでしょう。
代理の種類~知っておきたい代理のバリエーション~
代理には、大きく分けて法定代理と任意代理の2種類があります。
法定代理
法定代理とは、法律の規定によって発生する代理のことです。
代表的な例としては、親権や後見があります。
[box025title=”法定代理の例”]
- 親権:未成年者の父母が、その子供を代理する権利。
- 後見:成年被後見人などのために、後見人が代理する権利。
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任意代理
任意代理とは、本人の意思によって発生する代理のことです。
例えば、AさんがBさんに「私の代わりに、CさんとDさんの間の売買契約の交渉をしてほしい」と依頼し、Bさんがそれを引き受けた場合、BさんはAさんの代理人となります。
代理の3つの要件~代理が成立するための条件とは?~
代理が成立するためには、以下の3つの要件をすべて満たす必要があります。
これら3つの要件は、それぞれ重要な意味を持っているので、しっかりと理解しておきましょう。
代理権の存在
代理人が本人の代わりに法律行為を行うためには、代理権が必要です。
代理権とは、本人から代理人に対して与えられる、代理行為を行う権限のことです。
代理権がない人が代理行為を行っても、その行為は本人に効果を生じません。
例えば、あなたが友人の代理として、友人の車を売却したいとします。
しかし、友人があなたに代理権を与えていなければ、あなたが車を売却しても、その売買契約は友人に効果を生じません。
つまり、友人はその車を売却したことにはならないのです。
代理権の種類
代理権には、大きく分けて法定代理権と任意代理権の2種類があります。
- 法定代理権:法律の規定によって発生する代理権(例:親権)
- 任意代理権:本人の意思によって発生する代理権(例:委任契約による代理権)
本人のためにすること
代理人は、本人の利益のために代理行為を行わなければなりません。
自分の利益のために代理行為を行った場合は、代理権の濫用となり、本人に効果を生じないことがあります。
例えば、AさんがBさんに代理権を与えて、Bさんに自分の土地を売却してもらったとします。
ところが、BさんはAさんの利益を無視して、自分の友人に安く土地を売却してしまいました。
この場合、Bさんの行為は代理権の濫用となり、Aさんはこの売買契約を取り消すことができます。
顕名ってどういうこと?
代理人は、自分が代理人として行為していることを明らかにする必要があります。
これを顕名といいます。
顕名しないと、相手方は代理人と本人を混同してしまう可能性があり、トラブルに発展する可能性があります。
例えば、あなたが友人の代理人として、不動産会社で土地の売買契約を結ぶとします。
このとき、あなたが「私は友人の代理人です」と名乗らなければ、不動産会社はあなたが本人だと思って契約を締結してしまうかもしれません。
後から、「実は私は代理人でした」と言っても、不動産会社は困ってしまいますよね。
代理人が意思表示をすること
代理行為は、代理人自身の意思表示によって行われなければなりません。
本人の意思表示をそのまま伝えるだけでは、代理行為にはなりません。
例えば、AさんがBさんに「Cさんに、私の代わりに「Dさんにこの本を返却する」と伝えてください」と頼んだとします。
BさんがCさんにAさんの言葉をそのまま伝えたとしても、これは代理行為にはなりません。
CさんがDさんに本を返却する意思表示をしなければ、代理行為は成立しないのです。
代理行為ってどんな行為?
代理行為とは、代理人が代理権に基づいて、本人のために行う法律行為のことをいいます。
例えば、AさんがBさんを代理人として、Cさんとの間で土地の売買契約を締結する場合、BさんがCさんと行う売買契約の締結行為が代理行為にあたります。
代理行為は、代理人の行為ではありますが、その法律効果は本人に帰属します。
つまり、BさんがCさんと売買契約を締結した場合、その売買契約の効力はAさんに生じるということです。
代理行為の瑕疵~代理人の意思表示に問題があったら?~
代理行為は、代理人が行う意思表示によって成立しますが、その意思表示に瑕疵(欠陥)がある場合があります。
代理行為の瑕疵は、大きく分けて以下の2つに分けられます。
- 意思の不存在:心裡留保や虚偽表示など、代理人に意思がなかった場合
- 瑕疵ある意思表示:錯誤、詐欺、強迫など、代理人の意思表示に欠陥があった場合
意思表示の詳しい内容はこちらからご覧ください。
代理行為の瑕疵は誰に帰属する?~民法101条~
では、代理行為に瑕疵があった場合、その瑕疵は誰に帰属するのでしょうか?
民法101条1項は、「代理人が相手方に対してした意思表示の効力が意思の不存在、錯誤、詐欺、強迫又はある事情を知っていたこと若しくは知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決するものとする。」と規定しています。
ちょっと難しい言い回しですが、簡単に言うと、代理行為の瑕疵は代理人に帰属するということです。
つまり、代理人が心裡留保をしていたり、錯誤をしていたりした場合でも、その効力は本人に帰属し、本人は有効な代理行為が行われたものとして扱われるということです。
ただし、相手方が代理人の瑕疵を知っていた場合や、本人が代理人に瑕疵があることを知っていた場合などは、この限りではありません。
委託された場合、知らないと主張できない?~民法101条3項~
民法101条3項は、「特定の法律行為をすることを委託された代理人がその行為をしたときは、本人は、自ら知っていた事情について代理人が知らなかったことを主張することができない。本人が過失によって知らなかった事情についても、同様とする。」と規定しています。
これは、本人が代理人に特定の法律行為を委託した場合、本人は代理人が知らなかった事情について、「知らなかった」と主張することができないということです。
例えば、AさんがBさんに「Cさんとの間で土地の売買契約を締結してほしい」と委託した場合、Aさんが知っていたCさんの土地に関する重要な情報について、Bさんが知らなかったとしても、Aさんは「Bさんは知らなかったから、この売買契約は無効だ」と主張することはできないということです。
- 代理行為は、代理人が代理権に基づいて、本人のために行う法律行為のこと。
- 代理行為の法律効果は本人に帰属する。
- 代理行為の瑕疵は、原則として代理人に帰属する。
- 本人が代理人に特定の法律行為を委託した場合、本人は代理人が知らなかった事情について、「知らなかった」と主張することができない。
代理権、なくなっちゃった!?~代理権の消滅~
代理権が消滅するってどういうこと?
代理権は、一度発生すれば永遠に続くわけではありません。
様々な原因によって消滅することがあります。
代理権が消滅すると、代理人はもはや本人のために法律行為を行うことができなくなります。
例えば、AさんがBさんに代理権を与えて、Bさんに自分の土地を売却してもらったとします。
ところが、Bさんが土地を売却する前に、Aさんが亡くなってしまいました。
この場合、Aさんの死亡によって代理権は消滅し、BさんはもはやAさんの代理人として土地を売却することはできなくなります。
代理権消滅の原因
代理権が消滅する原因としては、以下のようなものがあります。
- 本人の死亡
- 代理人の死亡
- 代理権の放棄
- 代理権の取消し
- 期間の満了
- 目的の達成
ちょっと複雑な代理の世界~復代理、無権代理、表見代理、使者~
復代理:代理人がさらに代理人を立てる?
代理人が、さらに別の代理人を立てることを復代理といいます。
復代理人は、本人の代理人となります。
例えば、AさんがBさんに代理権を与えて、Bさんに自分の土地を売却してもらったとします。
ところが、Bさんは海外出張中で、Aさんの土地を売却することができません。
そこで、BさんはCさんに復代理権を与えて、CさんにAさんの土地を売却してもらうことにしました。
この場合、CさんはAさんの代理人となります。
無権代理:代理権がないのに代理行為をしたらどうなる?
代理権がないのに代理行為を行った場合、その行為は原則として無効です。
ただし、本人が事後に追認した場合や、表見代理が成立する場合は、有効となります。
例えば、AさんがBさんに代理権を与えていないのに、BさんがAさんの代理人としてCさんと売買契約を結んだとします。
この場合、Bさんの行為は無権代理となり、原則としてこの売買契約は無効です。
しかし、Aさんがこの売買契約を事後に追認した場合は、この売買契約は有効となります。
表見代理:本当は代理権がないのに、代理権があるように見えてしまったら?
本当は代理権がないのに、代理権があるように見えてしまった場合に、相手方を保護するために認められるのが表見代理です。
表見代理が成立すると、無権代理行為が有効となります。
例えば、AさんがBさんに代理権を与えていたが、その後、AさんがBさんから代理権を取り消したとします。
しかし、CさんはBさんがまだAさんの代理人であると信じて、Bさんと売買契約を結びました。
この場合、CさんはBさんがAさんの代理人であると信じるのも無理はないため、表見代理が成立し、この売買契約は有効となります。
使者:ただの伝言係?代理人とは違うの?
使者とは、本人の意思表示を相手に伝えるだけの人のことです。
使者自身は意思表示を行いません。
例えば、AさんがBさんに「Cさんに、私の代わりに「Dさんにこの本を返却する」と伝えてください」と頼んだとします。
BさんがCさんにAさんの言葉をそのまま伝えた場合、Bさんは使者となります。
CさんがDさんに本を返却する意思表示をしなければ、代理行為は成立しないのです。
まとめ
今回は、「代理」について解説しました。
少し難しい内容だったかもしれませんが、理解できましたか?
代理は、民法の重要テーマの一つです。
行政書士試験では、事例問題で出題されることが多いので、様々な事例に触れて、実践的な理解を深めていきましょう。
今回の記事が、皆さんの行政書士試験合格の力になれば幸いです。
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