申請に対する処分

行政手続法6条 標準処理期間と【努力義務】に見るポイントを解説!!

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行政手続法における標準処理期間の努力義務や役割について解説します。
行政手続法は標準処理期間に関する規定を努力義務としています。

この努力義務は、行政機関が申請に対する処分を行うまでに必要な通常の期間を定めることと、それを公にすることを要求します。

成り上がリーガルポイント
  • 標準処理期間を定めることは努力義務とされる。
  • 定めた標準処理期間は、公にしなければならない。※重要
  • 標準処理期間は、行政機関が申請に対する処分を行うまでに通常要する期間

本記事では、標準処理期間について、努力義務にも焦点を当てながら解説していきます。

行政手続法第6条の標準処理期間は、第2章の「申請に対する処分」に該当し、それぞれの条文で定義している「義務」がポイントとなります。
申請の意味、行政手続法の「申請に対する処分」における6条の位置づけ(法的義務&努力義務の混合パターン)については下記のまとめ記事よりご覧ください。

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行政手続法における標準処理期間とは?

標準処理期間とは、行政手続法に基づき行政機関が申請に対する処分を行うまでに通常要する期間のことであり、行政機関が申請を受け取ってから処分をするまでの時間を指します。
では、条文を見ていきましょう。

標準処理期間〔第6条〕

行政庁は、申請がその事務所に到達してから当該申請に対する処分をするまでに通常要すべき標準的な期間(法令により当該行政庁と異なる機関が当該申請の提出先とされている場合は、併せて、当該申請が当該提出先とされている機関の事務所に到達してから当該行政庁の事務所に到達するまでに通常要すべき標準的な期間)を定めるよう努めるとともに、これを定めたときは、これらの当該申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならない。

申請者にとっては待ち時間となりますが、行政機関にとっても公平な処理を保証するためには必要な時間とも言えます。
行政手続きなのに、即日発行!!即日引渡し!!なんて嫌ですよね?
そんな処理を行うために必要な期間を定めるように努めるということが条文によって定義されています。
※14日間という期間を設けることが一般的なようです。

努力義務と聞くと、「善処する」にとどまるような言い回しに見えますが、実際は定められない事情、変動する事情等を考慮しての規定のように見えますね。
申請者の不安を煽るような行為は、行政手続法の目的の透明性に欠けるという見方もできます。

行政手続法における標準処理期間の重要性

標準処理期間は、行政手続の効率性や透明性を確保する上で重要な役割を果たします。
申請者は、処分が行われるまでにどの程度の時間がかかるかを知ることで、適切な対応を取ることができます。
また、行政機関が標準処理期間を公にすることは、透明性や公正の確保といった、行政手続に対する信頼が向上し、本来の目的を果たすとことに繋がります。

標準処理期間を定めた場合の規定

標準処理期間を定めることは努力義務のため、定めるように努めなければならない。とされています。。
しかし、後半の定めた場合の対応については、公にしておかなければならない。という法的義務となります。
この定めた場合に法的義務になることは、行政書士試験としてのポイントにもなりそうです。

  • 標準処理期間の設定する:努力義務
  • 標準処理期間を公にする:法的義務

定めた場合に処理期間を過ぎることもあり得ますが、その場合はすぐさま違法になることはありません。
申請に不備を認めた場合は処理期間の日数にカウントもされません。
また、過ぎてしまう場合の連絡(通知)は一見必要に思えますが、条文として規定がないことを押さえておきましょう。

努力義務とは?

努力義務は、行政機関が標準処理期間などを設定する際に、最善を尽くすように促しています。
つまり、法的な拘束力はないものの、行政機関が公平で迅速な処理を心がけることとされていますが、そもそも行政手続法の目的としては、公正の確保と透明性、国民の権利利益の保護を資するとされているため、定めるのが基本と考えても良いかもしれません。

まとめ

標準処理期間の規定は、行政手続法において透明性を確保する上で重要な規定の一つです。
行政機関は、申請に対する処分を行うまでの通常要する期間を定めるように努めつつ、それを定めた場合は、公にすることが求められます。
これにより、行政手続の効率性や透明性が確保される重要な役割があることがわかります。

以上のポイントを踏まえると、標準処理期間の努力義務は行政手続法において重要な規定であり、行政機関にとっては適切な期間の設定と公開が求められることが分かります。