民法の物権をわかりやすい内容となるようにまとめていきます。
この物権とは?という部分を把握していないと、その後の学習がチンプンカンプンになるので、まずはしっかり概要を押さえていきましょう。
物権とは、物に対する直接的な支配権を意味し、「一物一権主義」「物権法定主義」などの原則を前提に理解を深めることが必要です。
種類としては「占有権」「所有権」「用益物権」「担保物権」に分類され、各々が異なる役割を持っています。

物権は、自分の権利を守るために「返還請求権」「妨害排除請求権」「妨害予防請求権」といった規定によって保護されています。
また、物権の変動は原則、意思表示によって発生し(民法176条)、例外的に契約成立時に変動が起きる特約もあります。

この分野を押さえるためには、ただ条文を読むだけでなく、具体的なイメージとともに理解を進めていきましょう。
- 物権=物に対する直接的な支配権
- 基本原則:「一物一権主義」「物権法定主義(175条)」
- 物権の種類:占有権・所有権・用益物権・担保物権
- 権利保護手段:返還請求権・妨害排除請求権・妨害予防請求権
- 物権変動:意思表示が基本、特約により例外もあり
物権と聞いて、どんなイメージを持つでしょうか?
「所有権とか、土地の権利かな?」
それも正解ですが、実は物権は民法の中でも非常に奥深いテーマです。
この記事では、物権に関する基本的な考え方や規定、物権の種類や変動まで、丁寧に解説していきます。
「物権?聞いたことあるけどよくわからない!」そんなあなたも、この記事を読み終えるころにはしっかり理解できるはずです。

※落ちたのに、また受けたくなる耳心地。時間が溶ける——。
物権とは?
物権とは、簡単にいえば「物に対する直接的・排他的な権利」を指します。
誰かを介さずに、物そのものに対して権利を持つイメージですね。
例えば、あなたが所有する土地に勝手に他人が入ってきたら、「出て行け!」と直接言える。この「直接的に物に対して行使できる」というのが物権の最大の特徴です。
物権は、債権のように「他人に○○してもらう権利」ではありません。
物権は、物に対して直接効力を発揮できる力強い権利です。
これをきちんと理解しておかないと、物権の全体像は見えてきません。
物権の基本的な考え方
物権には2つの大きな考え方があります。
- 一物一権主義
- 物権法定主義
それぞれ、具体的に見ていきましょう。
一物一権主義とは?
「一物一権主義」とは、1つの物には1つの物権しか成立しないという考え方です。
例えば、1つの土地に対して「所有権」「賃借権」「抵当権」などがバラバラに重なると非常に複雑になってしまいます。
これを防ぐため、基本的には「物には1つの権利だけが成立する」とするのが原則です。
もっとも、実際には例外も存在します。
賃貸借契約のように、所有権の上に使用収益権が重なる場合もあります。
ですが、基本の原則はこの「一物一権主義」だと覚えておきましょう。
物権法定主義とは?【民法175条】
物権法定主義とは、物権の種類や内容は法律に定められたものに限られるという原則です(民法175条)。
つまり、勝手に「新しい物権」を作ることはできません。
例えば、「友達限定権」や「親戚優先権」といったオリジナル権利を作って登記することは認められません。
これにより、第三者が物権関係を容易に把握できるメリットが生まれます。
民法175条は、物権法定主義の根拠条文として絶対に押さえましょう!
物権の種類とは?
物権にはさまざまな種類があります。
主に、次のように分類されます。
- 占有権
- 所有権
- 用益物権
- 担保物権
それぞれ見ていきましょう。
占有権とは?
占有権とは、事実上物を支配している状態を保護する権利です。
たとえば、誰かのカバンを預かって持っているとき、「これは私が預かっています」と言えますよね?
この「事実に基づく支配」を保護するのが占有権です。
占有権には、占有訴権(占有回収請求権など)が付随し、スピーディに自己の占有を回復できるメリットがあります。
所有権とは?
所有権は、物を自由に使用・収益・処分できる最も強力な物権です。
土地でも建物でも、所有者であれば「使う・貸す・売る・壊す」すべて自由です。
もちろん、公共の福祉に反しない範囲という制限はありますが、原則的に最も完全な権利といえます。
用益物権とは?
用益物権は、他人の物を特定の目的で利用する権利です。
代表例として、地上権(他人の土地を使う権利)や地役権(通行する権利)があります。
「所有者ではないけど、使わせてもらう」というイメージです。
試験でも、地上権・地役権・永小作権などは頻出なのでしっかり覚えておきましょう。
担保物権とは?
担保物権は、借金の返済ができないときに、物を差し押さえたり売却したりできる権利です。
典型例は、抵当権ですね。
たとえば、住宅ローンを組むとき、家に抵当権を設定しておきます。
返済できなかったら、金融機関がその家を売って返済に充てるのです。
担保物権には、留置権、質権、抵当権などがあります。
物権を守るための規定とは?
物権を侵害された場合、持ち主はどのように権利を守れるのでしょうか?
民法は、以下3つの請求権を認めています。
- 返還請求権(返してくれ)
- 妨害排除請求権(無くしてくれ)
- 妨害予防請求権(やめてくれ)
返還請求権とは?【返してくれ!】
返還請求権は、「物を不当に取られたとき、返してもらう権利」です。
たとえば、自転車を盗まれたときに「返せ!」と請求できる。
これが所有権に基づく返還請求権です。
妨害排除請求権とは?【無くしてくれ!】
妨害排除請求権は、「今受けている妨害を排除してもらう権利」です。
たとえば、勝手に私有地に建物を建てられたとき、「撤去しろ!」と請求できる。
これが妨害排除請求権です。
自分の敷地に勝手に建物を建てられることは想像しにくいかもしれませんが、自分の敷地に木の枝が伸びていて危ない。といったシーンでは、木の所有者が自分でない場合は勝手に切ることもできません。
こういった場面で請求することになります。
妨害予防請求権とは?【やめてくれ!】
妨害予防請求権は、「これから起きるかもしれない妨害を未然に防ぐための権利」です。
たとえば、隣地の人が塀を越えて建物を建てそうなとき、建てることを知った時に「やめろ!」と警告する。
これが妨害予防請求権です。
※先ほどの排除請求権との差異は、「おそれがある」という将来に向けての視点であることが挙げられます。
物権の変動とは?
物権の変動とは、物権の取得・変更・消滅が起こることを言います。
たとえば、「売買契約をして土地の所有権が移る」これが典型的な物権変動ですね。
物権の変動はどうやって起きる?【民法176条】
基本的に、物権変動は意思表示で成立します。
つまり、「売ります」「買います」という契約が成立した瞬間に物権が移るのです。
これを「意思主義」と呼びます(民法176条)。
意思表示によって、成立するという基本はとても大切なのでポイントとして押さえておきましょう。
ただし、例外もあります。
たとえば、不動産なら登記をしないと第三者に対抗できない、というルールがあるので注意しましょう。
※いわゆる当事者間のお約束である特約も例外として挙げられます。
まとめ
この記事では、物権とは何かから始まり、物権の基本的な考え方(物権法定主義・一物一権主義)、物権の種類、物権を守るための規定、そして物権の変動までを一通り解説してきました。
物権は民法の根幹に関わる非常に重要なテーマです。
行政書士試験では、「物権とは何か」を根本から理解しているかどうかが問われますので、今回の記事内容を繰り返し読み込み、自分の言葉で説明できるレベルを目指してください。
そして、最終的には条文(特に175条、176条)にも必ず目を通しておきましょう!
【試験対策カード】
物に対して直接効力を持つ排他的な権利。
1つの物には1つの物権だけが成立する原則。
物権は法律で定められた種類・内容に限る。
占有権、所有権、用益物権、担保物権。
返還請求権、妨害排除請求権、妨害予防請求権。
契約などの意思表示によって成立する(意思主義)。
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