申請に対する処分

行政手続法 第2章 申請に対する処分とは?【分かりやすく】ポイントを解説

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行政手続法における「申請に対する処分」とは、行政手続きにおいて重要な概念の一つです。
この記事では、行政書士試験のポイントも押さえつつ、「申請に対する処分」について詳しく解説していきます。

申請に対する処分については、行政手続法が具体的な規定を定めており、その効力について、法的義務と努力義務に分類することができます。
この義務に関しては行政書士試験でも重要なポイントになるため、本記事の表をご活用ください。

成り上がリーガルポイント
  • それぞれの条文が定める義務。
  • 法的義務:従わなければならないこと。(~しなければならない)
  • 努力義務:努めるようにすればよいこと。(~するように努めなければならない)
  • 申請:国民が申請したものに対して行政庁が行う処分のこと。

行政機関はこれらの規定を順守し、申請者に対して公正かつ適切な処分を行うことが求められています。
国民がする申請に対する処分ですから、素早い対応はもちろん、国民にとって不利な処分にならないことが重要です。
そのことを念頭に置いて見ていくと、申請に対する処分の意味合い、ポイントを押さえることができます。

行政手続法の全体を把握したい方、概要をまとめた記事をご覧ください。

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行政手続法における申請に対する処分とは

まずは、行政手続法における「申請」の意味について見ていきましょう。

申請とは〔第2条3号〕

申請 法令に基づき、行政庁の許可、認可、免許その他の自己に対し何らかの利益を付与する処分(以下「許認可等」という。)を求める行為であって、当該行為に対して行政庁が諾否の応答をすべきこととされているものをいう。

申請とは、行政手続法において定義される重要な行為です。
条文によれば、法令に基づき、行政庁の許可、認可、免許その他の自己に対し何らかの利益を付与する処分を求める行為を指します。

申請にはさまざまな種類がありますが、飲食店営業の許可申請など、国民が行政機関に対して何らかの利益を求める場合が一般的です。

申請のポイントとしては、、「諾否の応答(行政庁が返答)をすべきこと」と定義されており、行政機関が応答をしない場合は申請には該当しません。
つまり、営業開始の届出など、行政機関が応答をしないものは申請にはなりません。

ちなみに、婚姻届は申請に該当します。

これらの申請に対して行政機関が行う「処分」のことを定義しています。

申請に対する処分で規定する【義務】とは

申請に対する処分には、条文として様々な規定があり、それぞれで義務が規定されています。
簡単にまとめると、手続上の義務の内容が、絶対的な意味を持つ「法的義務」と、場合によっては許容される「努力義務」にわかれます。
簡単にまとめた表は下記となります。

法的義務:
従わなければならないこと
5条:審査基準(1項,3項)
   → 審査基準を定め、公にすること。
6条:標準処理期間
   → 標準処理期間を定めた時の公開すること。
7条:申請に対する審査、応答
   → 申請の到達後の遅滞なく審査を開始すること。
8条:理由の提示
   → 申請拒否処分時の理由の提示すること。
11条:複数の行政庁が関与する処分(1項)
   → 複数の行政庁が関与する際、処分の遅延の禁止とすること。
努力義務:
努めるようにすること
6条:標準処理期間
   → 標準処理期間を定めるよう努める。
9条:情報の提供
   → 審査の進捗および処分時期の見通しを提示するよう努める。(1項)
   → 申請者の求めに応じ、申請に必要な情報の提供するよう努める。(2項)
10条:公聴会の開催
   → 申請者以外の者の意見を聴く機会を設けるよう努める。
11条:複数の行政庁が関与する処分(2項)
   →相互に連絡を取り、聴取を行うなど、審査の促進に努める。

申請に対する処分は、申請書を受理しないといった、門前払いや、たらい回しにすることは禁止されているため、国民を守るためのモノであることがわかります。
※基本的に法律は、国民を守るためのモノです。

ここからは、5条~11条で定める事項について、ポイントを絞ってまとめていきます。
※それぞれの詳しい内容は、各項目のリンクからご覧ください。

第5条 審査基準とは

審査するための基準ですから、国民にとって不利な判断をされては困ります。
そのため、審査基準は非常に重要な役割を果たしていると言うことができます。

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そして、行政機関が申請に対する処分を行う際の基準として、公開することが義務付けられています。(法的義務)
また、具体的な審査基準といった言い回しもされていることから、具体性も求められていることがわかります。

第6条 標準処理期間とは

標準処理期間は、申請に対する処分を行うまでに必要な期間、通常必要となる時間を示すものです。
この期間を定めることで、申請者に対して適切な処分を行うまでの目安がわかるようになります。
なお、標準処理期間を定めることは「努力義務」に対して、公にすることは「法的義務」のため、押さえておきたいポイントとなります。
よくよく考えると定めたのに公開しないのは、明らかにおかしいですよね。

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努力義務=やらなくて良いという分けではなく、申請者は処分の目途を確認する権利もありますし、答える義務もあります。
※ただし、法的には努力義務ということは覚えておきましょう。

第7条 申請に対する審査、応答

申請に対する適切な審査と応答は、行政機関が行う行為そのものに該当するため、行政手続法の中核的な要素とも言えます。
申請が行政機関に到達した時点で遅延なく審査を開始し、申請書に不備がある場合は補正を求めるか、拒否することを求められています。(法的義務)

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また、申請を受理しないこと(門前払い)はNGとされていますが、申請書に不備があるという理由で拒否することは条文によって認められています。
※行政不服審査法においては、補正を求めずに拒否することはできません。

第8条 理由の提示

申請を拒否する際には、申請者に対して理由を提示することが求められています。(法的義務)
理由もなく拒否されるのは、普通に考えても少し腹が立つと思います。

また、この理由の提示をすべき理由についてですが、申請者は処分の根拠を理解することはもちろん、事後の不服申し立てなどに流用するためのモノです。

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どんな理由で拒否したのか。という根拠規定が曖昧なモノだった場合に違反となった判例もあります。

第9条 情報の提供

申請者に対する情報提供は、行政機関の透明性を確保するために重要と言えます。
申請者が審査の進行状況や処分の時期を把握することは、信頼性の高い行政手続を実現するとも言えます。

また、申請に対する情報も申請書を作成するに必要不可欠であるため、提供することを義務付けています。
ただし、努力義務にとどまるため、積極性はないと言えます。

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欲しい情報があれば、自ら調べたり取りに行ったりと、国民が積極的に動くことの重要性も伺えます。
※法的義務にすると知っている人に再度説明するといった、無駄も発生しそうですね。

第10条 公聴会の開催等

公聴会等の開催は、申請者以外の者の利害関係を考慮し、公正な意思決定を行うための重要な手段ともいえます。
意見を聴くことで、より多様な視点を反映した処分が可能となります。

行政手続法 公聴会の開催等(第10条)は「申請者以外」「関係性」がポイント!!行政手続法は公聴会の開催等を第10条で、努力義務として規定しています。 なお、申請者以外の者の利害を考慮すべき場合という条件付きである...

申請が必ずしも、1対1の関係にはならないため、申請者以外に利害関係が及ぶ場合は、より慎重に審議しようという意味が伺えます。
ただし、情報の提供と同様に全て行う必要はなく、あくまでも努力義務となります。

第11条 複数の行政庁が関与する処分

申請者が複数になる場合もありますが、申請先の行政庁が複数に及ぶ場合もあります。
そのため、複数の行政庁が関与する際の規定を設けています。
7条に似たような性質を持ちますが、遅延は絶対的に禁止となります。(法的義務)

行政手続法 11条 複数の行政庁が関与する処分とは?連携不足は【遅延】の理由にならない行政手続法 11条は、申請の処理において複数の行政機関が関与する処分をする場合の規定を定めています。 行政手続法 第11条では、複数の...

また、遅延の理由になり得る、行政庁間の連携(相互に連絡を取り、情報共有を行うこと)については、効率的な審査を行うためにすべき行為として規定されています。
ただし、
こちらは、努力義務にとどまるため、区別して覚えておく必要があります。

まとめ

申請に対する処分は、行政手続法の中でも「申請」に該当する重要な規定が定められています。
法的義務と努力義務が明確に規定することで、申請者の権利保護と公正な行政手続きの確保が図られています。
一方で、全てが法的義務のように~しなければならないという義務付けがされていないことは押さえておきたいポイントとなります。
特に、無駄になる可能性が考えられる部分が努力義務になっているため、冒頭の表を使って知識として定着させていきましょう。

行政機関は、これらの規定を遵守しながら、適切な処分を行うことが求められており、申請するサイドの私たちにとって不利な処分にならない抑止力として効力を発揮してくれます。

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