京都府学連事件をわかりやすく解説していきます。
肖像権、プライバシーという観点も踏まえて見ていきましょう。
京都府学連事件は、表現の自由、適正手続きの保障、個人の尊重といった基本的人権と、公共の福祉、特に社会の秩序維持の必要性とのバランスを問う重要な判例です。
この判決を通じて、憲法が保障する権利と、それを制限する可能性について理解を深めることができます。
行政書士試験におけるポイントは、容ぼうの撮影が許されない点が認められつつも、必要性および緊急性があって、限度を超えない範囲での例外的な撮影は許されるという、実質的な肖像権(憲法13条)を認めた上で合憲性を判示した点にあります。
- 表現の自由と制限:憲法21条は表現の自由を保障していますが、公共の福祉のために必要かつ合理的な範囲で法律によって制限されることがあります。
- 適正手続きの保障:憲法31条は、何人も法律の定める手続きによらなければ、その生命、自由、または財産を奪われないことを保障しています。
- 個人の尊重と幸福追求権:憲法13条は、個人の尊重と幸福追求権を保障しています。これには、プライバシー権なども含まれます。
- 公共の福祉:公共の福祉とは、社会全体の利益を意味します。個人の権利と公共の福祉が衝突する場合、両者のバランスを考慮して判断する必要があります。
- 警察官の職務行為:警察官は、犯罪捜査や秩序維持のために、一定の権限を行使することができます。しかし、その権限行使は、法律の範囲内で行われなければなりません。

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京都府学連事件:デモ行進と写真撮影、そして憲法
京都府学連事件は、1969年に起きた、学生デモと警察官の職務行為に関する裁判です。
この事件は、表現の自由、適正手続きの保障、個人の尊重といった基本的人権と、公共の福祉、特に社会の秩序維持の必要性との間のせめぎ合いを浮き彫りにしました。
事件の概要:デモ行進と写真撮影
京都府学生自治会連合(京都府学連)は、ベトナム戦争反対を訴えるデモ行進を計画し、京都府公安委員会から許可を得ました。
しかし、デモ隊は許可条件に違反する形で隊列を乱して行進してしまい、警察官は、その状況を写真に収めました。
この写真撮影に憤慨した学生の一人が、警察官を旗竿で突き、公務執行妨害と傷害の罪で起訴されました。
学生側は、警察官の写真撮影は憲法違反であり、違法な職務行為だと主張しました。
争点:表現の自由とプライバシー、そして警察官の職務行為
この事件では、以下の3つの点が主な争点となりました。

- 表現の自由と許可制:デモ行進の許可制は、憲法21条が保障する表現の自由に違反するのか?
- 適正手続きの保障と許可条件:デモ行進の許可条件違反に対する制止や処罰は、憲法31条が保障する適正手続きに違反するのか?
- 警察官の写真撮影と個人の尊重:警察官がデモ隊を撮影することは、憲法13条が保障する個人の尊重(プライバシー権)に違反するのか?
最高裁判決:表現の自由とプライバシーのバランス
最高裁判所は、この事件について、以下の判決を下しました。
デモ行進の許可制は合憲
デモ行進のような集団行動は、他人の権利や自由を侵害する可能性があるため、公共の福祉のために必要かつ合理的な範囲で制限することができます。
京都府の条例は、許可しないケースを限定しており、憲法21条に違反しないと判断されました。
許可条件違反への制止・処罰は合憲
デモ行進の許可条件は、事前に明確に示されており、恣意的な運用を許すものではありません。
したがって、許可条件違反に対する制止や処罰は、憲法31条に違反しないと判断されました。
警察官の写真撮影は合憲
個人の承諾なしに、みだりにその容ぼう・姿態を撮影されない自由は、憲法13条により保障されます。
しかし、犯罪捜査の必要性・緊急性があり、かつ、相当な方法による場合は、この自由は制限されうるとされました。
本件における警察官の写真撮影は、適法な職務執行行為であり、憲法13条、35条に違反しないと判断されました。
まとめ
京都府学連事件は、表現の自由、適正手続きの保障、個人の尊重といった基本的人権と、公共の福祉、特に社会の秩序維持の必要性とのバランスを問う重要な判例です。
この判決は、以下の点を明らかにしています。
- 表現の自由は、公共の福祉のために必要かつ合理的な範囲で制限されることがある。
- 法律や行政処分は、適正手続きの保障に反してはならない。
- 個人のプライバシー権は尊重されるべきだが、犯罪捜査などのために制限される場合がある。
- 警察官の職務行為は、法律の範囲内で行われなければならない。
また、肖像権を実質的に認めたという点も重要となってきます。
容ぼうの撮影が認められないとなると、真相追及ができなくなるといった観点もあるため、この判例は、憲法が保障する権利と、それを制限する可能性について、深く考えさせられます。
特に近年、SNSの普及で情報が飛び交っています。
捜査という観点でも便利になってきていますが、プライバシーという点で守るべきものという部分も重要になっていきそうですね。
行政書士試験においても、憲法の基本原則や、個人の権利と公共の福祉との関係について、理解を深める上で重要な事例となるでしょう。
今後の裁判でも、この判例の解釈について問われることが出てくるかもしれません。
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